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ニューヨーク・サステナブル・ワイン・グローイングの活動報告: 認証ブドウ畑とそのブドウを使用したワイン造りをするワイナリーのマップ公開

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Whitecliff Vineyard and Winery, Yancey Stanforth-MiglioreWhitecliff Vineyard and Winery, Yancey Stanforth-Migliore

Fox Run Vineyards, Scott OsbornFox Run Vineyards, Scott Osborn

ニューヨークには、環境への影響を最小限に抑え、経済的安定を確保し、労働者の健康と安全を守ることを目的とした、サステナブルなブドウ栽培の認証を受けたブドウ畑のネットワークが広がっている。認証は、ニューヨークワイン&グレープ財団(NYWGF)のニューヨーク・サステナブル・ワイン・グローイングを通じて授与される。認証を取得したブドウ畑と、85%以上の認証ブドウから造られたワインを生産するワイナリーは、ブドウ畑とそのワインボトルに同認証のトラストマークを表示することが認められている。

ブドウ畑やワイナリーを訪れた観光客が目にすることができる「サステナビリティの証」は何だろうか?ワイナリーに並ぶワインボトルやブドウ畑の看板にトラストマークを発見する以外に、認証取得のために取られた措置の多くは簡単に知ることはできない。例えば、ブドウの木の間に覆土作物を植えているのは、土壌の健全性を向上させ、炭素を隔離するためであったり、冬の寒さに強いという理由で、ブドウの木の特定の台木が選ばれていたりすることなど、気付かないだろう。
だが幸いなことに、ワイナリーやブドウ畑の環境への取り組みを示すものは他にもあり、インタラクティブ・マップで見つけたサステナブルなワイン造りをする生産者を訪れれば、それを知ることもできるだろう。

ブドウ畑の実践を超えた持続可能性

フィンガー・レイクス、キューカ湖畔にあるHunt Country Vineyardsの共同経営者、スザンヌ・ハント氏は言う、「ブドウ畑の実践はお見せすることはできません。ですが、例えばテイスティング・ルームの床はエコ・フローリングという、すべてアップサイクルされたリサイクル・フローリングで、炭素強度はオフセットされています」。その他、2018年に設置された5台の電気自動車用充電器や、ワイナリーの電力の大半を供給する348枚パネルのソーラーシステムも見ることができる。地元生産者のチーズや食品の販売や自然環境へのツアーも含むワークショップも開催している。「私たちが行っていることのひとつは、様々なワークショップを開催し、訪れる人たちに技術を学んでもらうことです」とハント氏は言う。ワークショップには、アート制作、石垣作りなどの実技学習、野生の食用植物や薬草の識別などがある。Hunt Country Vineyards が主催しているこれらの活動は、ニューヨーク・サステナブル・ワイン・グローイングの認証に必要なものではない。ハント氏曰く、「これこそが私たちなのです。私たちは人と地球を大切にしたいのです」。

認証によって一般消費者に広く伝わる

ハドソン・バレーにあるWhitecliff Vineyard and Wineryの共同経営者、ヤンシー・スタンフォース=ミリオーレ氏は言う。「サステナビリティについて、できることは既に行っていました」。それでも、認証を取得するための書類の作成は、ワイナリーにとってメリットがあった。
「私たちの実践を人々に伝える上で、ありがたい支援です」ほとんどのニューヨークのワイナリーが、その気候条件故にオーガニック認証を取得できない中、この認証は役立つ。スタンフォース=ミリオーレ氏は言う。「この認証は、私たちのビジネスのマーケティングの顔として環境問題に関心を持ち、可能な限りクリーンな方法でワインを造っていることを、人々に伝える助けになります」。このワイナリーは、ワインとワイン醸造においても完全なヴィーガン主義を貫いている。
2024年は、Whitecliff Vineyard and Wineryがワインラベルにトラストマークのロゴをつける資格を得た最初のヴィンテージとなる。しかし、このワイナリーのサステナビリティへの努力の跡は、それ以前からゲストの目にも明らかだ。ワイナリーツアーに参加したゲストは、ワイナリーの暖房に地熱を利用していることを耳にするだろうし、施設全体で行われているリサイクルを目にするだろう。

認証制度以前から実践する、サステナブルな取組み

写真:NYWGF
※本記事はワインライターのKathleen Willcox and Robin ShreevesがNYワイン&グレープ財団のために執筆した記事の抄訳版です。