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サステナブル・ワインのパイオニア、リッチ・オルセン・ハービッチ ~2024 サステナビリティ・アワード~

サステナブル・ワインのパイオニア、リッチ・オルセン・ハービッチ ~2024 サステナビリティ・アワード~

ニューヨークワイン&グレープ財団から、サステナブルな活動を模範的に実践している組織やワイナリーを表彰する 2024サステナビリティ・アワードを受賞したBedell Cellars (ベデル・セラーズ) のワインメーカー、オルセン=ハービッチは言います。「この受賞は、1980年からベデル・セラーズで行ってきたことを証明するものです。サステナビリティはゼロサムゲームであり、終わりのない道なのです。よりサステナブルな方法を常に求めています」。

オルセン=ハービッチは、この賞をベデル社内だけでなく、社外の多くの人たちと分かち合っているとコメントしました。

多くの要素と参加者によるムーブメント

「マイケル・リンが1980年にベデル・セラーズを創業したとき、地域の水と土地の健康を守ることに尽力しました」と、2019年に77歳で亡くなった故創設者について語ります。「彼がいなければ、私たちはワイナリーとして、あるいは産地としてここにいなかったでしょう。ここは東海岸で最大級の潮流河口にあるため、常に繊細な地域でした。さらに、私たちは帯水層から飲料水を得ていますので、農業汚染はすべての住民にも害を及ぼしてしまうのです」。
リンの情熱と、ロング・アイランドの他の生産者や醸造家たちの生来の良識が、この地域がニューヨークで初めてのサステナブルなワイン生産システムを成文化した地域となるのを確実にしました。

オルセン=ハービッチはノースフォークで最も長い歴史を持つワイン醸造家ですが、彼とベデルのサステナビリティに対するアプローチは、この数十年の間に進化してきたといいます。「ブドウ畑で使用している様々なソフトで環境に配慮した製品から、機械類に至るまで、私たちが手にするツールは、ここ数年でかなり洗練されてきました」と彼は説明します。「また、様々な製品が水に与える潜在的な影響についての理解もかなり深まりました」。

オルセン=ハービッチは、自分の知識や研究をブドウ栽培者仲間と共有することに常に熱心でした。
1984年、オルセン=ハービッチはLong Island Grape Growers Association(ロング・アイランド・グレープ生産者協会) の2代目会長に就任しました。また、1995年以来、Cornell University’s Wine Grape Research program (コーネル大学 ワイン用ブドウ研究プログラム) の顧問委員会の一員です。
「サステナビリティの観点から、私たちが行おうとしていることを成文化することが重要であることは、次第に明らかになっていきました。サステナブルな経営や農業をしたいが、何から始めればいいのかわからないという生産者に、明確なプランを提供することができます」と彼は言います。
州全体のサステナビリティ認証プログラムについての議論もあったが、オルセン=ハービッチによれば、彼と彼の仲間の生産者たちは、いち早く何かを導入したかったのです。

持続可能性の成文化

「2012年までに、Long Island Sustainable Winegrowing Alliance (ロング・アイランド・サステナブル・ワイン・グローイング・アライアンス) を成文化することができました。これは東海岸初のサステナビリティ認証であり、他のワインメーカーが後に続く道を開いた。多くの点でシンプルなものです。天然資源を保護し、テロワールの存続を保証し、周囲の社会や環境への影響を最小限に抑えることに重点を置いています」。
しかし実際には、投入量を大幅に削減するために考案された、200以上の詳細な生態系管理のベストプラクティスがあります。プログラム開始時に参加した生産者は5軒でした。現在では18の生産者が所有する1,110エーカー (約449ヘクタール) が参加しており、この地域のブドウ栽培面積の約半分に相当します。

ニューヨーク州全体のサステナブル・ワイン栽培認証、New York Sustainable Winegrowing (ニューヨーク・サステナブル・ワイングローイング) の発効もされたことにより、オルセン=ハービッチは、サステナビリティの概念の進化に強気です。

ニューヨーク・サステナビリティ認証を受けるためには、生産者は環境への影響を最小限に抑え、経済的リスクを軽減し、労働者の健康と安全を守るような慣行を採用しなければなりません。この基準は、ロング・アイランド・サステイナビリティの基準と同様に、ニューヨーク州のブドウ栽培の微妙な違いを考慮して設計されています。
「多くのニューヨークのワイナリーやブドウ畑がこの認証に申し込んでいるのを見ることは、とてもエキサイティングです。また、農法だけでなく、社会的慣行も包括している点も評価できます。サステナビリティは、農業や生産だけでなく、従業員との向き合い方、ビジネスや地域社会の経済的健全性をも包含するものであるべきです」。

サステナビリティは旅です。オルセン=ハービッチの知恵とリーダーシップがなければ、ニューヨークはここまでたどり着けなかったことでしょう。

ベデル・セラーズのワインは現在、日本でもお求めいただけます。 詳細は生産者情報ページをご覧ください。

ニューヨーク・サステナブル・ワイン・グローイングの概要と認定ブドウ畑についてはこちらをご覧ください。

Unity Awardsとは

ユニティ・アワードは、ブドウ栽培者、ワイナリー(およびそのスタッフ)、研究者、小売業者などの協力関係を認め、奨励し、業界全体の発展を祝うための手段として、1990年に創設されました。ニューヨークワイン&グレープ財団は30年以上、長年にわたってさまざまな困難に直面しながらも、共に働き、成功してきたニューヨーク州のワイナリーと生産者のコミュニティとそのメンバーの豊かな歴史に敬意を表し、その大胆な精神と数々の功績を認め、業界のリーダーたちとニューヨークワインのチャンピオンを称えることを誇りに思います。詳細はこちらをご覧ください。

※本記事はワインライターのKathleen Willcox and Robin Shreeves がNYワイン&グレープ財団のために執筆した記事の抄訳版です。